私が保育士になった理由
なぜ保育士になったんですか?
これは、就職活動のときに限らず、非常によく聞かれる質問です。
専門職に就くと、この手の話題はつきものなのかも知れませんね。
”子どもが好きだから”
”小さいころ、保育園の先生に憧れて......”
というのはよく聞く話。
しかし私は、保育士を目指すまで、特段子ども好きというわけでもありませんでした。
保育の世界にふれたとき
大学3年生の夏まで、私は自分が保育士になるとは夢にも思っていませんでした。
大学3年生といえば、就職活動が始まるころ。
保育とは無縁の大学に通いながら一般企業をいくつか受け、自分の将来を具体的にイメージできず悩んでいました。
そんなとき、保育士をしている友人から、「夏休みに区立の保育園で夏期アルバイトを募集しているから、応募してみたら?」とアドバイスを受けたのです。
もとから興味があったわけではなかったけれど、友人に勧められ、就活に煮詰まっていた私は、”自分がまったく知らない世界にふれてみるのもいいな”と思えました。
そして、初めて保育の世界にふれる、夏のアルバイトが始まったのです。
どうして保育の世界に惹かれたか
大学が夏休みのあいだの、保育園でのアルバイト。
朝から夕方まで、平日は毎日通いました。
初めての世界で右も左もわからない中、暑い時期、外での活動もあり、力仕事もあり、決して楽なバイトではありませんでした。
しかし、私は、とっても楽しかったのです!!
私、感じたのです。保育とは、考える仕事である、と。
私はかねてから考え事が大好きで、大学では哲学をかじっていました。”大人になっても考えることをやめたくないな”と、モラトリアムしながら思っていたものです。
そんな私に保育は、とても魅力的に映ったのですね。
活動や、子どもとのかかわり、交わす言葉のひとつひとつが、先生方のねらい、考え、願いに基づいていて、心を動かしながら、とても人間らしく働ける仕事だと思いました。
また、幸運なことに、私がアルバイトした園は人間関係が良好でした。
今思えば、公立園で、待遇や職場環境が良かったことも起因しているのかなと思いますが笑、保育園にありがちな、ギスギスした雰囲気はなく、不慣れな私のこともあたたかく受け入れてくれていました。
そして、保育園で働いて、子どもひとりひとりとかかわり、名前や個性を知っていくと、ついに私にも”子どもがかわいい”という感情も芽生えたのです笑
他にも、絵本の読み聞かせや、歌うことももともと好きだったので、どんどん保育の世界に対する気持ちが強くなっていきました。
そうして、保育士になるべく奮闘する日々が始まるのです。